トラビレ新人スタッフの「月会員さんにはどんな人がいるの?」という疑問からスタートしたトラビレ月会員インタビュー企画!
第5回目は、ドレスデザイナーの大原 久美さんにお話を伺いました。
−− どんなお仕事をされていますか?
女性用のオーダーメイドドレス・ワンピースの作成をしています。
最近はステージ衣装・演奏会用のドレスが多いですね。ピアニスト・声楽・フルート奏者など演奏家の方にも気に入っていただいております。
得意なのは体型カバーです。
似合うファッションというのは骨格によって違います。その人の骨格を見た上でどういったファッションが似合うのか、骨格に合うものと本人が好きなものが違った場合はどうやって好きなスタイルで似合わせていくかというところをアドバイスします。
ステージ衣装で使うワンピースなどは普段使いにどうコーディネートするかの提案もしています。
今日わたしが着ている服(スカート・ジャケット・ブラウス)も自分で作ったものです。
服は正しいところに正しいゆとりがないと太って見えちゃったりとか、逆に貧弱に見えちゃったりとかするんですよね。
肩幅が大きい人が必ずしもバストが大きいとは限らないというように、みんなそれぞれ全部違うのに市販の服だとSといったら全部小さめ、Mといったら全部中間。だから肩幅はこんなにいらないんだけどバストは足りないんだよね、とかヒップがけっこう大きいからヒップに合わせて買うとウエストがぶかぶかなんだよねという風になってしまう。
オーダーメイドならそれを全部あわせられます。しかもその人の骨格にあわせたものに寄せていくのでスタイルよく見せることができます。
また、パーソナルカラーで似合うカラーを取り入れることで5歳くらい若返って見えるので
『マイナス5キロ・マイナス5歳に見せます』
と謳わせていただいております。
服の作成はデザインからパターン(型紙)作り、裁縫まで全部一人でやっております。
営業も自分です。
ざっくりこういう服が良いというのを先に教えていただいて、そこにプロのアドバイスを入れていく感じの流れです。
−− パーソナルカラー診断や骨格スタイル分析について
パーソナルカラー診断もできますが、診断までしなくても今使いたい予定の布があうかどうか確認できればわたしはいいかなと思っています。
骨格スタイル分析もそうですけど、診断したがゆえに迷っちゃう人も多いんですよね。この色は着ちゃだめと言われたから好きな服が着れなくなっちゃったとか。でもスプリングと言われた方がスプリングの要素ってなにかというのをずっと覚えていられるかというと、たぶん覚えてない人が多いんですよね。
わたしはそれよりも『自分の顔の色が変わった』とかそういうところを確認してもらったほうが良いと思っているんですよ。
そのカラーを当てた時にほうれい線が濃くなったとかクマが濃くなったとか、そういうことが分かったら避ける、逆に顔色が明るくなったならそれを取り入れる。
『ココを見ればいいんだよね』というのが分かれば、どこに服を買いに行っても「あ、顔色が悪くなったからこれはちょっとやめとこうか」とか、やめなくても下半身にそのカラーをもってくるとかが自分でできるようになりますよね。
着たい色が似合わない場合でも似合わせの方法があるんです。諦めて着れないってなっちゃうのは勿体ないなって思います。
わたしのところで作った服はもちろん、他のところで買う時もどこを見ればいいかポイントをお伝えするので、たぶん今後服を選ぶのに迷うことが少なくなるかなと思います。
−− 開業のきっかけは?
もともと高校の家政科出身で、それなりにお洋服を作ったりしていたんですけど。高校の家政科では自分でイメージしたものを作れるまではいかないんです。パターンを買ってきて作ることはできても、どんな生地を使うかぐらいしか遊べなくて、面白くないなと思っていました。
わたしの頭の中にあるものを作りたい!
でも、今の自分の技術ではそれができないと思って、働きながら土日と夜間でオーダーメイドに特化したパターン(型紙)や立体裁断を教えてくれるところに勉強しにいきました。デザイン画と縫製と、全部習いました。
パターン(型紙)は一般的には文化式が多く使われています。 こちらのパターンですと、肩を大きくするとバストも大きくなるという形になります。それを微調整して合わせるのが主流です。
立体裁断は洋裁用ボディ(人型のツール)に生地を当てて、ダーツをやりたいとかギャザーを寄せたいとかいうところに針をプスプス刺していきます。それを展開すると立体的なパターン(型紙)ができます。
身体に沿うように作れるので、本当にボディラインがキレイに見えるんですよ。
−− 一番最初にトラビレに来たきっかけは?契約の理由は?
当時ビジネスリファーラル組織に加入していて、そこで知り合ったトラビレオーナーの柴田さんに会いに来ました。
その時は店舗を持っていて店の経費に悩まされていたんですけど、トラビレを事務所として使えばかかる経費をだいぶ落とせることを知りました。これはありだなと思い、もろもろ手続きを済ませて初来店から半年後くらいに移動してきました。
−− 月会員になって良かったことは何でしょう?
経費削減になりました。
移る前の10分の1くらいです。すごく安い家賃のところを借りていても、光熱費とかがかさんできてしまうんですよね。
あと名刺とかHPに事務所としてトラビレの住所が書けるのはすごい有難いですね。
もちろん名刺などに住所を書いていない方もたくさんいらっしゃいますけど、住所書いてある方が信頼感が違う感じがするじゃないですか。でも自宅はちょっと書きたくなかったり。
そう思うと、住所を書けるのはすごく有難いです。
1年半くらい前に引っ越しをして、今は名古屋に住んでいるので豊橋にはたまにしか来ないのですが、トラビレに事務所の住所があって、豊橋のお客さんとの打合せもここで出来るので本当に助かっています。
−− 今後やってみたいと考えているようなサービスはありますか?
今は全部を自分一人でやっているんですけど、ある程度決まったカタチがある上であなたのサイズで作りますよというパターンオーダーの仕組みを作っていこうと動いているところです。
骨格スタイル別に似合うものを3つほど作ってベーシックパターンとし、袖や襟などの細かい部分や生地はお客さんが自分でカスタマイズできるようにしたくて。それを縫製工場と提携してやっていこうかなと考えています。
これはわたしの希望なので本当にそうなるかは分からないんですけど、選べるものが減ってしまう分、ちょっとリーズナブルにオーダーメイドが楽しめるプランにしたいですね。
それと、あなたの要望にどこまでも応えますよっていうプランと、二極化でやっていきたいなという希望があります。
全部自分でやっているとどうしてもキャパに限界があって、上限が見えちゃっているのでそれを取っ払いたいんです。縫製工場のところで苦戦中なんですけど、そこがうまくいけば、今後は骨格スタイル分析を見れる人と組んで、販売する権利を売っていきたいです。
骨格スタイル分析の資格を取ってても十分に使えていない人、いっぱいいると思うんですよね。例えばファッション同行をやるにしても市販の服だけでやろうと思ったら限界があります。市販の服もありだけど、その後にオーダーメイドの服があったらもっと範囲を広げられると思うんですよ。
むずしい体形の人もオーダーメイドがあればひろってこれる。市販の服だと拾いにくかった人、やりきれなかった人やこだわりの強い人はオーダーメイドに回せる、という仕組みができれば、そして気に入ってもらえればリピートオーダーも可能だと思うんです。
−− 月会員はいつから契約していますか?当時と今で変わったことはありますか?
2014年から契約しています。
当時と今では全然違いますね。最初はここでミシンを使っていたり、事務所みたいに使ってたんですけど、今は基本打合せのみっていう感じです。
それは自分の性格上の問題で、一か所に留まるのがちょっと苦手だったからです。なので、いつもここに行けば会えるよって人ではなくしました。基本的には飛び回っているので何かある場合はアポしてくださいね、みたいな。
あと、最初は『和クチュール』という名前で和ドレスを専門にやっていました。着物のリメイクドレスや和テイストのドレスは今も作っていますが、和ドレスはインパクトは強いんですけど、その後に繋がりにくいんですよね。
ブランドの一つとしてやるには『こういうのも出来ますよ』でいいんですけど、それ一本でやるにはあまりにもターゲットが尖り過ぎてて厳しかったです。
今は普通のジャケットとか普段着れるようなものも作っていて、一般の方からも頼んでいただけるので幅がとても広がりました。
このジャケット、めちゃめちゃ伸びるんです。
なのでとってもラクですし、キチンとして見えるのにカーディガンと同じ感覚で着れるんです。
このまま寝れるし、家事もやれるし、洗えるし。
夜洗って次の日の朝乾くので、サロンの方など制服で使っている人もけっこういます。
サロン系だとスタイルがよく見えるって重要ですよね。制服をオーダーメイドに変えてからお客様に褒められることが増えたって声も多くて、最初1着で頑張ってたけどリピートしてもらえるケースが最近増えています。そのあたりも変わったかな。
−− トラビレのお気に入りの席や設備は何ですか?
わたし、一番奥の席にカーテンをつけさせていただいてて。
お客様は女性で、スペース内には男性もいるじゃないですか。採寸するとなるとカーテン閉めないとやれない。名古屋とかだとビューティー系があるところとか個室があるところを選べるんですけど、豊橋はそもそもそういう選択肢がないですし。
でも、普通はカーテン着けてほしいと言ってもやってもらえないですよね。
ないならないで諦めて、が普通だと思うんですけど、トラビレはできませんではなく、できる方法を考えてくれる。最初からできません・やれませんと言われるのと、考えてくれてできませんとでは違うじゃないですか。
なかなかそこまで融通をきかせてもらえるところって少ないので有難いなと思っています。
−− こんな人と出会いたいというのはありますか?
豊橋で骨格スタイル分析をやっている方はまだあまりいないんじゃないかな。増えてきたとは思うんですけど。
今は対面で会える人限定での販売しかできないんですけど、縫製工場と組めるようになれば、骨格スタイル分析ができる方が採寸して縫製工場に流して納品するという感じで、全国でビジネスを展開できるようになると思うんです。
あとは自分を良く見せたい人や人前に立つことが多い人。スタイルよく見えるオーダーメイド服を着て自分のテンションを上げていってほしいですね。
会社情報・プロフィール
大原 久美(おおはら くみ)
ドレスデザイナーKUMI OHARA
https://www.kumi-ohara.com/
こちらのお問合せフォームからお問合せしたら、絶対オーダーしないといけないとかはないので、お気軽に気になったことは何でも聞いてくださいね。